保護者
学校を休んでいる間の勉強、どうしたらいい?
ゆう
通信教材を使うなら、選ぶ前に4つ確かめてみましょう。

家庭教師を頼むほどではないかもしれない。でも、家で少しずつ学べる方法はないだろうか。

そう考えて、通信教材を調べている方もいると思います。続くかどうか、費用に見合うかどうか、迷うのも自然なことです。

この記事の結論

通信教材は、家で自分のペースで学ぶ方法の一つです。選ぶ前に、次の4つを確かめると、合わない教材を選びにくくなります。

  1. 今、本人に勉強を始める余裕があるか(短い時間なら取り組めそうか)
  2. 紙・タブレット・動画のどれが取り組みやすそうか
  3. 前の学年に戻る、量を減らすなど、内容を調整できるか
  4. 総額・サポート・休会や退会の条件が、家庭に合っているか

通信教材を使うかどうか、どう決める?

結論

本人が「短い時間なら取り組めそう」と思えているかどうかが、最初の目安です。そのうえで、取り組みやすい形式と、続けやすい条件の教材を選びます。

  1. 始めてみてもよさそうなとき

    • 本人が「少しなら勉強したい」と話している
    • 短い時間なら、机に向かえる日がある
    • 人と対面せずに学べる方法を探している

    → 教材の種類を見て、本人と形式を選ぶ

  2. 慎重に考えたいとき

    • 勉強そのものが、今は大きな負担になっている
    • 本人の気持ちを、まだ聞けていない
    • 費用や解約の条件を、確認できていない

    → 今は始めないときの動き方を見る

通信教材を使うこと自体が、目的ではありません。本人が安心して学べる方法を探すための、道具の一つとして考えてみてください。

通信教材のメリットと、確認したい機能

一般的に挙げられるメリットは、次の4つです。それぞれ、申し込む前に確認したい機能も添えました。

  1. 1. 自宅で学習できる

    特徴
    家から出なくても学べる。外出や人と会うことが負担な時期にも始めやすい。
    確認したい機能
    専用の端末が必要か、手持ちの機器で使えるか。インターネット環境が必要か。
  2. 2. 自分のペースで進めやすい

    特徴
    1日に進める量や時間を、本人の調子に合わせて決めやすい。
    確認したい機能
    前の学年に戻れるか。1回の量を減らせるか。
  3. 3. 時間割に縛られにくい

    特徴
    決まった時間に授業があるわけではないので、体調のよい時間に取り組める。
    確認したい機能
    動画の配信日や添削の提出期限など、決まった日程があるか。
  4. 4. 繰り返し復習できる場合がある

    特徴
    つまずいた単元に戻って、学び直せる教材もある。
    確認したい機能
    解説があるか。間違えた問題を解き直せるか。

教材によって、できることは違います

機能や対応している学年・教科は、教材ごとに異なります。また、通信教材を使えば必ず学力が上がる、勉強が続く、というものではありません。
保護者
うちの子でも、続けられるかな?
ゆう
続けやすさは、本人と教材の相性で変わります。次のチェックで確かめてみましょう。

こんな様子があれば、通信教材を検討してみる余地があります

  • 自分のペースで進めたい気持ちがある
  • まずは短い時間から取り組みたい
  • 人と対面することに、負担を感じている
  • 教材を選んだり、タブレットなどを操作したりすることに抵抗が少ない
  • 困ったときに、家族などのサポートを受けられる

いくつ当てはまるかで決まるものではありません。当てはまる項目があれば、次は「3つの種類」を見て、本人と形式を選んでみてください。

今は始めないほうがよいときの動き方

次のようなときは、教材を始めるのを急がなくて大丈夫です。本人に勉強を無理にさせる必要はありません。

  1. 勉強の話をするだけでつらそう

    勉強や教材の話題を出すと、本人が強い負担を感じている様子があるとき。

    → 今は勉強の話をいったん休み、本人が安心して過ごせることを優先する。

  2. 本人が始めたいと言っていない

    保護者が心配して教材を探しているが、本人は希望を示していないとき。

    → すぐに申し込まず、本人の気持ちを確認できるタイミングを待つ。

  3. 教材を続けることがプレッシャーになりそう

    毎日取り組むことや、課題・提出期限があることが負担になりそうなとき。

    → 教材の契約を急がず、課題や期限のない方法も含めて検討する。

  4. 費用や解約条件を確認できていない

    総額、追加料金、解約方法などがわからないとき。

    → 申し込まず、契約条件を確認してから判断する(下の「申し込み前の確認リスト」を使えます)。

保護者
教材さえあれば、勉強してくれると思っていたかも…。
ゆう
教材は道具の一つです。まずは本人の気持ちを聞くところから始めましょう。

通信教材の3つの種類と選び方

通信教材は、学ぶ形によって大きく3つに分けられます。本人が取り組みやすい形を選ぶことが、続けやすさにつながります。

  1. 紙の教材・問題集

    特徴
    テキストや問題集に書き込んで学ぶ。答案を送って添削を受けられるものもある。
    検討できる場合
    画面より紙のほうが集中しやすい。手を動かして学びたい。
    選ぶ前に確認
    答え合わせや質問を、誰が担うか。添削があるか。
  2. タブレット型の教材

    特徴
    タブレットで問題を解いたり解説を見たりする。自動で採点されるものが多い。
    検討できる場合
    画面の操作に慣れている。すぐに答え合わせをしたい。
    選ぶ前に確認
    専用の端末が必要か。端末の代金と、やめたときの端末の扱い。
  3. パソコン・スマホで使うオンライン教材

    特徴
    手持ちの機器で、動画の授業や練習問題に取り組む。
    検討できる場合
    動画で説明を聞くほうがわかりやすい。好きな単元から始めたい。
    選ぶ前に確認
    手持ちの機器と通信環境で使えるか。動画だけでなく、問題を解く機能があるか。

紙とタブレットを組み合わせた教材もあります。形式は、申し込む前に公式情報で確かめてください。

ゆう
迷ったら、本人に「紙とタブレット、どっちがやりやすそう?」と聞いてみましょう。

申し込み前の5つの確認ポイント

候補が決まったら、次の5つを確かめましょう。公式サイトや資料で確認できないことは、問い合わせて確かめると安心です。

  1. 1. 学年・学習状況への対応

    今の学年だけでなく、つまずいているところから始められるか。

  2. 2. 学習内容や難易度の調整

    前の学年に戻れるか。1回の量を減らせるか。苦手な単元だけを選べるか。

  3. 3. 紙・タブレット・動画などの形式

    本人が「これならできそう」と思える形式か。上の「3つの種類」と見比べる。

  4. 4. 月額料金・初期費用・教材費などの総額

    月額料金だけでなく、入会金・教材費・専用機器の代金なども含めて、続けた場合の総額を出してみる。

  5. 5. 無料体験・休会・退会・返品の条件

    合わなかったときに、どうやめられるか。体験や資料で試せるか。

申し込み前の確認リスト(候補ごとに使えます)

  • 対象の学年と、前の学年に戻って学べるか
  • 紙・タブレット・動画など、学ぶ形式
  • 入会金・教材費・専用機器の代金を含めた総額
  • 支払い方法と、何回続く契約なのか(広告や申し込み画面に表示されている条件)
  • 無料体験や資料請求の有無
  • 休会・退会・返品の方法と条件
  • インターネットで申し込む場合、最終確認画面で価格・支払時期・解約の条件を見直したか

知っておきたい通信販売のルール

用語解説通信販売の返品ルールと「返品特約」

消費者庁の特定商取引法ガイド(新しいタブで開きます)によると、通信販売で商品を買った場合、受け取った日から数えて8日以内なら、申込みの撤回や解除ができ、送料は消費者の負担で返品できます。

ただし、事業者が広告に返品特約(返品できるかどうか、期間、費用の負担などの独自の条件)を表示している場合は、その特約に従います。

知っておきたい制度添削や指導がつく教材は「家庭教師」の契約にあたることも

上の返品のルールは、商品を買う契約についてのものです。教材に添削指導やオンラインでの指導など「学力を教えるサービス」がつく場合は、別のルールが関係することがあります。

消費者庁の特定継続的役務提供Q&A(新しいタブで開きます)では、家庭教師の契約には、ファックスや電話、インターネット、郵便などを使って行われるものも広く含まれ、いわゆる通信教育も、入学試験や学校の補習のための学力の教授にあたれば「家庭教師」に該当するとしています。教材に付く添削なども、次のすべてに当てはまれば対象になると考えられる、としています。

  • 添削や学習相談で、学力を教える内容になっている(教材の使い方の説明や進学情報だけなら、あたらない)
  • 教材などの関連商品と合わせた支払いの総額が、5万円を超える
  • サービスを受ける期間が2か月を超える(期限がない場合も含む)

この場合は、家庭教師と同じようにクーリング・オフや中途解約のルールがあります(家庭教師の記事の「契約前に知っておきたいルール」)。ただし、販売の条件になっていない、一般的なアフターサービスとしての添削などは当てはまらないとされています。どちらにあたるかは契約の実態で判断されるため、契約書面や事業者に確認してください。

オンライン教材などの利用契約は

どちらのルールにもあたらない利用契約もあります。申し込む前に、利用規約に書かれた解約の条件を確認してください。

通信教材以外の選択肢もある

学び方は、通信教材だけではありません。ここでは短く紹介します。

  1. 家庭教師

    先生と1対1で学ぶ方法。選び方と契約前の確認ポイントは「不登校中の家庭教師、どう選ぶ?」で詳しく整理しています。

  2. オンライン学習サービス

    画面越しに先生とやりとりしながら学ぶサービスもあります。

  3. 手元の教材での自宅学習

    学校の教材や市販の問題集を、本人のペースで進める。

  4. 在籍している学校

    担任の先生やスクールカウンセラーに、学習の進め方を相談する。

  5. 教育支援センター(適応指導教室)

    教育委員会が設けている施設。相談のほか、通所してカウンセリングや教科指導、体験活動などを受けられる。名称は地域によって異なる。

文部科学省は、子どもが不登校になったときは、まず在籍校と十分に連絡を取ることが大切だとしています。

よくある質問

不登校の間、通信教材だけで勉強しても大丈夫?

本人に合っていれば、通信教材を中心に学ぶ方法もあります。ただ、ひとりで進めると、わからないところで止まってしまうこともあります。

困ったときに質問できる相手(家族、教材の質問サービス、学校の先生など)がいるかも、あわせて確かめてください。

勉強が苦手な子どもでも使える?

前の学年の内容から学び直せる教材なら、取り組みやすい場合があります。

さかのぼって学べるかどうかは、教材によって違います。申し込む前に、学年をまたいで学べるかを公式情報で確かめてください。

子どもが通信教材を続けられないときは?

続かないこと自体を、責めなくて大丈夫です。体調や気持ちの波で、手が止まる時期もあります。

1回の量を減らす、紙とタブレットなど形式を変える、しばらく休む、といった方法があります。どれがよいか、本人と話してみてください。

通信教材の費用は、どこを確認すればいい?

月額料金だけでなく、続けた場合の総額を見てください。入会金や教材費、専用の機器の代金などがかかる場合があります。

支払い方法や、何回続く契約なのかも確認しましょう。インターネットで申し込むときは、申し込み前の最終確認画面で、価格や解約の条件を見直すと安心です。

通信教材での学習は、出席扱いになる?

通信教材を使うだけで、出席扱いになるわけではありません。

文部科学省の通知では、小・中学校など義務教育段階の子どもが自宅でICTなどを活用して学習した場合に、要件を満たせば、在籍校の校長の判断で指導要録上の出席扱いにできるとしています。対象となる学習の例として、通信教育を活用した学習も挙げられています。

要件には、保護者と学校の十分な連携、訪問などによる対面指導、本人の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること、基本的に学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられない場合であること、などがあります。気になる場合は、教材を選ぶ前に、まず在籍校に相談してみてください。

まとめ:本人が取り組みやすい形を、小さく試して選ぶ

この記事のまとめ

  • 通信教材は、家で自分のペースで学ぶ方法の一つ。使わない選択もある
  • 最初の目安は、本人が「短い時間なら取り組めそう」と思えているか
  • 紙・タブレット・オンラインから、本人が取り組みやすい形式を選ぶ
  • 申し込む前に、調整のしやすさ・総額・契約の回数・やめ方を確かめる

次にすること

  1. ステップ1. 本人に聞いてみる

    「短い時間なら、やってみる?」「紙とタブレット、どっちがやりやすそう?」と軽く聞いてみる。
  2. ステップ2. 候補を2〜3つ比べる

    申し込み前の確認リストを使って、調整のしやすさ・総額・やめ方を比べる。
  3. ステップ3. 小さく試してから決める

    資料や無料体験(ある場合)、手元の問題集で試してから、本人と一緒に決める。

通信教材を始めること自体が、ゴールではありません。大切なのは、本人の気持ち・学びやすさ・費用・サポートのバランスがとれた方法を見つけることです。

ゆう
焦らなくて大丈夫です。本人が「これならできそう」と思える形を、一緒に探していきましょう。

出典・参考資料